きな粉には嬉しい効果がいっぱい(基礎知識編)
健康食材としておなじみの大豆。美容効果の高さも知られていますが、いくら体に良くても、大豆をそのまま食べるだけでは少し味気ないですよね。
そこで注目したいのが、大豆を原料にした「きな粉」です!和菓子に使われることが多いきな粉は、ほかにも用途があり、アレンジ万能な食材です。しかも、栄養素は大豆そのままで食べるのとほぼ変わりありません。
ここでは、きな粉の栄養素と効能をご紹介します。
栄養豊富!きな粉の基礎知識
きな粉の主な成分
きな粉の原料である大豆は、「畑のお肉」とも呼ばれる栄養豊富な食材です。ここでは、きな粉に含まれる栄養成分と効能についてご説明します。
・イソフラボン
女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする成分です。摂取するとホルモンバランスが整えられ、女性は生理不順やPMS(月経前症候群)、更年期障害の症状改善が期待できます。また、強い抗酸化作用があり、老化や生活習慣病の原因となる活性酸素の発生も抑えてくれます。
・銅
銅は、5大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミン)であるミネラルの一種です。体内で作ることができないため、食べ物から摂取する必要があります。鉄分の働きを助ける栄養素で、貧血の予防や、肌と髪の健康を保つのに役立ちます。
・葉酸
細胞の生成に欠かせない栄養素です。特に妊娠中には大量の葉酸の摂取が必要となります。ビタミンB12と協力して赤血球を作る働きがあり、造血にも欠かせません。葉酸不足は細胞のがん化や悪性貧血、胎児の発育不良など、深刻な疾患を引き起こす原因となります。
・鉄分
銅と同じく、ミネラルの一種です。主に、ヘモグロビンの構成成分として全身に酸素を運びます。特に月経中や、現代人に不足しがちな栄養素の一つとなっていま妊娠中の女性には、多くの鉄分が必要です。体内で作れない栄養素なので食事からの摂取が必要です。
・食物繊維
きな粉には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれます。中でも不溶性食物繊維が豊富で、ダイエットや便秘解消に役立ちます。 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維はそれぞれに整腸作用がありますが、細かい性質が異なります。 水に溶けやすい水溶性食物繊維はゲル状になって腸内を移動し、空腹感を感じにくくします。一方、不溶性食物繊維は胃や腸で水分を吸収して膨らみ、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にして便通を促します。
・大豆オリゴ糖
オリゴ糖は腸の健康を維持する善玉菌のエネルギー源です。大豆オリゴ糖は、何種類かあるオリゴ糖の中でも少量で善玉菌を活性化させる働きを持つといわれています。ただし、摂取しすぎるとお腹がゆるくなることがあります。
摂取時の注意点
体に良いきな粉ですが、摂取する際は気をつけたいことがあります。 まず注意したいのは、カロリーです。きな粉は100gあたりで約450kcal、大さじ1杯で約30kcalあり、豆類の中でもカロリーが高い食品です。「体に良いから」「ダイエット効果があるから」と、食事やおやつ、飲み物にいつもきな粉を使うと、一日あたりの摂取量が思いのほか多くなるので気をつけましょう。 また、大豆イソフラボンの過剰摂取でホルモンバランスが乱れることもあります。内閣府の食品安全委員会が平成18年に定めたところによると、イソフラボンの1日の摂取量目安は70~75mgで、きな粉に換算すると大さじ7~8杯程度です。毎日の習慣としてきな粉をとるときは、なるべく適量を守りましょう。
〈おわりに〉