【コラム】血圧と減塩のギモン②
2月も下旬にさしかかり、だんだん春が近づいてきましたね。
前回は、なぜ血圧が高くなるのかについてお話しました。
今回は高血圧が体に与える影響についてみていきたいと思います。
Q.高血圧をほうっておくとどうなるの?
A.血管が傷つき、重大な病気へと進展します。
高血圧を治療しないまま放置すると、血管は徐々に傷ついていきます。血管の内側の表面は、血管内皮細胞におおわてれいて、この細胞が血管壁を防御したり、血管を広げたり縮めたりするのを調整しています。健康な状態の血管内皮細胞は、圧力を受けると血管壁の筋肉に働きかけて血管を広げます。ところが、食塩のとりすぎが続いたり、生活習慣病にかかわるさまざまな障害因子がかかり続けると、やがて反応ができなくなり、血管を広げられなくなります。その結果、血圧が高くなってしまうのです。
血圧が高くなると、血管内皮細胞の障害はますます進み、防御壁としての役目もはたせなくなります。さらに、悪玉コレステロールなどが侵入して蓄積するようになり、動脈硬化が進行していきます。
動脈硬化は全身の血管で起こるので、脳では脳出血や脳梗塞、心臓では狭心症や心筋梗塞、腎臓では腎不全を起こす危険があります。
また、高血圧は認知症とのかかわりも指摘されています。認知症を起こす原因の一つに脳血管障害があります。高血圧はその脳血管障害を引き起こす要因であり、認知機能に影響をおよぼすのです。
高血圧がおよぼす体に与える影響がどのようなものかわかりましたね。
次回はその高血圧の対策についてお話をしていきたいと思います。